本の場:●本の場● 山崎曜 YAMAZAKI YO 手工製本家 メディアとして主役を降りて久しい「本」を、今までとは別の、美や造形として輝かせて、新たな「もの」として存在させたい。

糊の問題(いや素材もだ)

 
本を直したりするときに問題になるのが、劣化のこと。
 
酸性紙の問題がクローズアップされてから、無視できない問題になっている。
 
なおしを頼まれたとき、私がするのは、修理+改装というようなことが殆どだが、どういう糊を使うかで悩む。というかできるだけ、悪くない評判のものを使うようにはしているけど、という程度にやっている。
 
教室では、もう少しゆるく、手に入りやすい、木工用ボンド、ヤマト糊(と同様の業者用の糊など)を使う。修復の専門家によれば、木工用ボンドは酸性なので紙を劣化させるとのこと。(これまで、木工用ではないが、同じく酢酸ビニルエマルジョン系の紙工用ボンドを使ってきたが、そのことによると思われるの劣化は感じない。また、ヤマト糊は大丈夫だけど、防腐剤が気になる、とのことだ。
こだわりだすと、気になる。
結局は長年使われてきて実績がある、「正麩糊」と「膠」が安全というのは揺るがないようだ。じゃ、それを使えばいい、と思うのだが、手間がかかる。お手軽ではない。そんなことを言うと、
手作りしてるのに手を抜くなんて、と、罪の意識を感じることになる。
 
というわけで、私はあまり、ここについては追求しないようにする。
 
どのくらいの劣化があるのか確かめられないし、なるべく、悪くないようにしよう、という程度にしている。
 
芯のボール紙だって、中性のものを使おうとすると凄い値段でびっくりしたことがある。修復の方に伺って、イギリスのベンブリッジというところのマット(額の中に入れるやつです)だったら確実安心、とのことで世界堂なんかでも買えると聞いたので早速試そうとして買いに行って、これとこれとこれ、なんて値段もチェックしないで注文して(それ自体バカなんだが、)取りに行ったとき、びっくり。5枚位で3万弱位の値段だったような記憶が。うう。そのボード使えないまま置いてある。(この時は仕方なく、特種製紙のピュアマットという中性紙を使ったのだが、紙質がチップボールに比べても柔らかく、あんまりいい感じにしあがらなかった。チップボールは新聞紙の古紙なので、酸性紙なはずだ・・・・)
 
苦手な分野だ。結果が自分の実験によって明らかにできない。
 

2008年9月26日 本の場 |

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